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食べごと研究所
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blog おうち薬膳
古家1681

  旬の薬膳和菜
 日本人が先祖代々受け継いできた和食には、薬膳の理論が生きています。
 なにも特別な食材や漢方薬を使っ た 料理ばかりが薬膳ではありません。
 さんまに大根おろしを添えるのも、
 青菜のおひたしにしょうがをのせるのも、ちゃんと薬膳的な意味があります。
 薬膳の視点で、ふだんの和食を見直してみれば、
 いかにすばらしい知恵が秘められているかに驚かされます。
 旬の地のものを使った素朴な和 食こそ、日本人の体質や風土に合っています。
point

1.何気ない和食の知恵に気づこう  
2,和食の良さを再発見しよう    
3.素朴な和食を食卓に取り戻そう  



●これだけは知っておきたい!ワン ポイント薬膳

すべての食べ物は五味に分かれる
薬膳=東洋医学の基本概念である陰陽五行説では、すべての食物は、甘味、酸 味、苦味、辛味、鹹味(塩辛い味)の5つの味に分かれるとされます。私たちがふ だん食べている7割は甘味に属します。
五味は五臓をコントロールする
甘味は脾胃、酸味は肝胆、苦味は心小腸、辛味は肺大腸、鹹味は腎膀胱と、五味 はそれぞれ特定の臓器と密接な関係があり、臓器の働きを助けたりコントロールしています。
食物には体を冷やすものと温めるものがあ る
食物には、体を温める性質のものと冷やす性質のもの、また、温めも冷やしもし ない平性のものがあります。温める働きの強いものから順に、熱性→温性→平性→涼性→寒性となります。基本的に、春夏は寒涼性のもの、秋冬は温熱性のも の、また冷え体質の人は温熱性のもの、のぼせ体質の人は寒涼性のものをとるように心がけます。

●旬のシンプル和菜【冬の巻】
【秋の巻】【春の巻】夏の巻】はこちら

「食べごと研究所」が
紹介するレシピでは、
あえて細かな分量は
記載しません。

 毎日料理するのに、いちいち小さじやカップではかるの は面倒なこと。
 自分の感覚で確かめながら、我が家の味を作り出していくのが一番です。
 懐石料理の老舗「辻留」の故・辻嘉一さんも、
「味は食材によってその人がその都度加減するもの」と、
 料理番組や料理本などでも、分量はあえて紹介しませんでした。
 季節や気温、体調によっても味の好みは変わります。
 数字にたよらず、自分の体で味を みながら適宜、調節していってください。

ふ ろふき大根
辛味の大根、鹹味の味噌、
酸味のゆずは
理想の組み合わせ

ふろふき大根
解説
寒くなるほどうまみも甘味も増してお いしくなる大根は、ピリリとした刺激が特徴の辛味の食材 です。消化を促して胃腸の働きを助け、痰を切って外に排出する働きがあります。生では体を冷やす寒性の大根も、時間をかけてじっくり煮れば、温性に変化す るので安心です。
この大根に鹹味の味噌と、酸味のゆずを組み合わせたふろふき大根は、和食のすばらしさを再認 識させられる一品。冬は腎が弱りやすい季節ですが、鹹味の味噌は腎を補うのに最適です。一方、酸味のゆずは肝を補う働きがあります。辛味をとると肝の働き が抑られるため、辛味には酸味を添えるのが鉄則です。大根に、ゆずのしぼり汁を加えた味噌を添えるのは、実に理にかなった食べ方なのです。

材料(4人分)
大根1/2個、昆布 適量、塩、しょうゆ各少々、みそだれ(みそ、酒、砂糖各大さじ2、大根の煮汁小さじ2、ゆずのしぼり汁適量)、ゆずの皮少々
作り方
1.大 根はできれば皮つきのまま厚さ2〜3cmの輪切りにする。
2.鍋に大根を並べ、米のとぎ汁を加えて柔らかくなるまでことこと煮る。
3.鍋に昆布を敷き、大根を並べ、塩としょうゆを加えてさらに煮る。
4.鍋に味噌だれの材料を入れ、弱火で混ぜ合わせる。ゆずの皮を千切りにする。
5.大根を皿に盛り、少量の煮汁をはり、味噌だれをかけて、ゆずの皮を飾る。
春 菊のごま酢みそあえ
塩分の多くなる冬こそ
苦味の青菜で血行を促そう
春菊画像
解説
独特の香りやほろ苦さのある春菊は、 心臓の働きを高めて血行をよくする苦味の食材。体を温め、胃腸を丈夫にし、病気に対する抵抗力も高めてくれます。
寒い冬は、体を温める作用のある鹹味の食材が多くなるのが自然ですが、塩辛いものを摂り過ぎると、血液がねばっこくなって血行が悪くなります。苦味の食材 は、こうした塩分の摂り過ぎによる弊害を中和する作用があるのです。鹹味を積極的に摂りたい冬こそ、春菊のような苦味の青菜を一品加えることが必須なのです。
材料(4人分)
春菊1束、すりごま 大さじ2、味噌大さじ1、梅玄米酢大さじ5(梅玄米酢の代わりに、米酢と砂糖でもOK)
作り方
1.春 菊をさっとゆでて、ざるに並べて水気を切り、食べやすい大きさに切る。
2.すり鉢でごまをすり、味噌と梅玄米酢(米酢+砂糖)を加えて、すり合わせる。
3.食べる直前に春菊を2であえる。
イ カと里芋の煮っころがし
イカのタンパク質の
腐敗を防ぐ
辛味のさといも

いか里芋煮
解説
イカにもいろいろな種類があります が、やわらかく煮物に最適なのは、冬が旬のヤリイカ。五味では甘味に 属し、胃腸を保護する働きがあります。体を冷やす寒性のため、寒い時期は加熱して食べるのがおすすめです。
一方のさといもは、いも類では唯一、辛味に属す変わり種ですが、なぜイカにはさといもを組み合わせるのが定番なのでしょうか。その理由も、薬 膳の理論で見れば一目瞭然。低脂肪ながら高タンパクのイカは、ダイエットに最適なヘルシー食品ですが、腸内でタンパク質が腐敗しやすいのが難点です。これ を防ぐのが、殺菌作用のある辛味の食材なのです。刺身にわさびや大根のつまを添えるのも、このためであり、煮物にする場合も、辛味のさといもや大根と組み 合わせるのが理想的なのです。古くから受け継がれて来た定番メニューには、ちゃんと意味があるのです。
材料(4人分)
さといも10個程 度、ヤリイカ 2杯、酒、しょうゆ、みりん各適量
作り方
1.さ といもは皮をむいて、大きいものは食べやすい大きさに切る。
2.イカはワタを出して輪切りにする。足も食べやすい大きさに切る。
3.鍋に酒、しょうゆ、みりんを煮立て、イカをさっとゆでて色が変わったら取り出す。
4.3の鍋にさといもを入れ、ひたひたの水を加えて柔らかくなるまで煮る。火を止めて15分ぐらい置く。
6.再び火にかけてひと煮立ちしたら、イカを戻し、さっと味をなじませる。イカは煮過ぎると固くなるので注意を。
たたきごぼう
利尿作用の高いごぼうは
冬に弱りやすい
腎の負担を軽くする
たたきごぼう
解説
苦味に属すごぼうは、利尿作用にすぐれ、水分や血液の滞りを解消す る働きがあります。漢方ではむくみを取る薬として重宝されているほどです。食物繊維の含有量は野菜のなかでもトップクラスで、とくに発ガン物質を排出する 作用は強力です。
「長く生きる」という意味を込めて、おせち料理に欠かせないたたきごぼうです が、ほかにも理由があります。冬は、生命エネルギーを蓄える腎の働きが低下して、気力や体力も衰えがちです。水分代謝が滞り、むくみやすいのも腎の低下に よるものです。これを防ぐのが、利尿作用が高く、腎の負担を軽くするご ぼうなのです。ほかにも黒豆や昆布巻き、田作りなど、おせち料理には腎を補う食材がいっぱい使われているのです。
材料(4人分)
ごぼう2本、すりご ま大さじ4、しょうゆ小さじ2、酢大さじ1、砂糖小さじ1各適量
作り方
1.ご ぼうはたわしで泥を落とし、5cm程度の長さに切って水にさらす。
2.
鍋に水を入れ、好みの固さにごぼうをゆで る。
3.
まな板にごぼうを並べ、すりこぎでたたい て繊維をつぶす。
4.すり鉢でごまをすり、しょうゆ、酢、砂糖、ごぼうを加えてあえる。2〜3日おいたほうが味がしみこんでおいしくなる。
大根葉のふりかけ
大根葉、ごま、じゃこは
苦甘鹹のベストコンビ

大根葉画像
解説
大根の根は辛味の寒性ですが、葉は苦味の温性と、同じ1つの野菜でも性質が異なります。つまり、 皮も葉も捨てずに、まるごと1本食べれば、寒熱や陰陽のバランスがとれるようになっているのです。
とくに大根の葉はビタミンやカルシウムなど のミネラルが豊富で、捨てるのはもったいないこと。しっかり炒ってふりかけにしておくと、ごはんにかけたり、チャーハンに混ぜたり、うどんの薬味にした りと、いろいろ使えて便利です。完全に水分を飛ばせば、冷蔵庫で2週間はもちます。
この大根葉に、鹹味のじゃこと塩、甘味のごまを合われ ば、さらにバランスアップ。甘味は腎の働きを抑え込むため、腎を補う鹹味が不可欠であり、鹹味は心の働きを抑え込むため、心を補う苦味をプラスする必要が あるからです。大根葉のふりかけは、この3味を組み合わせたベストコンビといえます。

材料(4人分)
大根葉1本分、ちり めんじゃこ、かつお節各 ひとつかみ、すりごま小さじ1、塩、しょうゆ各適量
作り方
1.大 根葉はさっと湯がいて水気を切り、みじん切りにする。
2.鍋に油をひき、大根葉をじっくり炒って水気を飛ばす。
3.大根葉の水分がすっかり飛んだら、ちりめんじゃこ、すりごま、かつお節、塩を入れる。仕上げにしょうゆを鍋肌から回し入れ、全体を混ぜ合わせる。
根菜 豆乳シチュー
体を温めて滋養する
冬にぴったりの一品

和風シチュー
解説
苦/温のかぶ、甘/温のにんじん、 甘/平のさつまいもとしいたけの、胃腸を助け、体を温めて滋養する冬にぴったりのシチュー。
牛乳の代わりに、甘/涼の豆乳を加えたのがポイントです。甘味が多いため、鹹 味の味噌としょうゆで味つけをして、五味のバランスをとりました。
根の4倍近いビタミンCを含み、カロチンやカルシウム、食物繊維も豊富なかぶ の葉も加えましょう。
材料(4人分)
かぶ4個、さつまい も1個、にんじん1本、しいたけ3〜4枚、だし汁、豆乳200cc、みそ、しょうゆ各適量、塩、こしょう各少々
作り方
1.か ぶの根はくし形に、葉はざく切りにする。にんじんは一口大に、たまねぎは薄切り、さつまいもは輪切りに、しいたけは5mm程度の厚さに切る。
2.鍋にバターを入れて熱し、小麦粉を加えてよく炒める。たまねぎを加えてよく炒める。
3.にんじん、かぶ、さつまいもを加えて炒め、だし汁を加えて煮る。
4.火が通ったら、しいたけを加え、塩、こしょう、みそ、しょうゆで味付けする。
5.かぶの葉と豆乳を加え、煮立ったらすぐに火を止める。